月探査機が月から見た土星 | アストロピクス

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月探査機が月から見た土星

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の月探査機ルナー・リコネッサンス・オービターが土星をとらえたものです。2021年10月13日に撮影されました。土星のリングも映っています。リングは北側の面が見えており、土星の手前側にあるリングは、土星の赤道より下側に見えています。

ルナー・リコネッサンス・オービターのカメラ(LROC)の狭角カメラ(NAC)はラインスキャン(プッシュブルーム)カメラで、コピー機やスキャナーのように、1ラインずつ撮影していきそれをつなげて画像化する方式のカメラになっています。

NACで月面を撮影する場合、月の上空を秒速1600m以上で移動する探査機の動きを利用して、非常に短い露光時間で1ラインずつ画像を取得していきます。土星を撮影するため、探査機は土星を横切るようにNACを回転して画像を得ました。

ルナー・リコネッサンス・オービターは、2021年8月20日には木星を撮影したこともあります。そのとき撮影された画像には、木星のガリレオ衛星も映っていました。ただ木星と比べて土星はかなり暗いため、今回の撮影で土星の衛星を検出することはできませんでした。

こちらはルナー・リコネッサンス・オービターが撮影した元の解像度の土星画像です。冒頭の画像は、オリジナル画像を4倍に拡大したものです。

Image Credit: NASA/GSFC/Arizona State University

(参照)LROC