フィルタによって異なる外観を見せた棒渦巻銀河NGC 1385 ハッブル望遠鏡が撮影 | アストロピクス

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フィルタによって異なる外観を見せた棒渦巻銀河NGC 1385 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮影したもので、棒渦巻銀河NGC 1385が映っています。NGC 1385は、ろ座の方向、約3000万光年の距離にあります。画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、「今週の1枚(Picture of the Week)」として2023年11月13日に公開されました。

NGC 1385の画像については、以前にも「Picture of the Week」としてハッブル望遠鏡jのサイトで紹介されたことがあります(アストロピクスでも紹介しました[参考記事]ハッブル望遠鏡がとらえた棒渦巻銀河NGC 1385)。

こちらは以前紹介されたNGC 1385の画像です。冒頭の画像と同じくWFC3されました。ただ、同じカメラで撮影されたにもかかわらず外観が異なっており、今回公開された画像では赤みがかった領域が多く見えています。

ハッブル望遠鏡のウェブサイトでは、数多くの美しいカラー画像が公開されています。ただプロの研究者が天文学研究に使う望遠鏡では、私たちが使うデジタルカメラのようにカラー画像を撮影するわけではありません。

そのような望遠鏡には、特定の波長の光(電磁波)を透過させるフィルタが備えられています。フィルタを通すことで、たとえば塵の多い領域など、研究者が知りたい情報を得ることができるのです。それぞれのフィルタを通して撮影した画像はモノクロです。各フィルタのモノクロ画像にさまざまな色を割り当てて合成し、カラー画像が作られます。

NGC 1385の2枚の画像の場合では、使われているフィルタの数と色の割り当てが少し異なっています。そのため、同じ銀河を映した2枚の画像で、見た目が異なっているのです。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Chandar, J. Lee and the PHANGS-HST team

(参照)ESA/Hubble