いるか座にある惑星状星雲NGC 6891をハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像です。
惑星状星雲は、太陽程度の質量の恒星の晩年の姿です。赤色巨星となった恒星の外層のガスが宇宙空間へ放出されていき、中央に残された星からの紫外線などの放射によってガスが電離して輝きます。
画像を見ると、NGC 6891が内側と外側の二重構造になっているのが分かります。内側の明るい構造と比べて、外側のやや暗い部分はより速く膨張しました。内側の明るい領域の内部では、中心にある白色矮星を囲むようにガスのフィラメントや小さな塊が見られます。
それらの動きから、内側は4800年前、外側は約2万8000年前に放出されたと推定されており、死にかけた星が異なる時期に何度か爆発したことを示しています。
画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)のウェブサイトで2021年11月29日に公開されました。
Image Credit: NASA, ESA, A. Hajian (University of Waterloo), H. Bond (Pennsylvania State University), and B. Balick (University of Washington); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)
(参照)NASA