最新版! かつてない詳細なX線全天地図が公開された

Credit: Jeremy Sanders, Hermann Brunner and the eSASS team (MPE); Eugene Churazov, Marat Gilfanov (on behalf of IKI)

この画像は、ロシアとドイツの共同ミッションであるSRG(Spectrum Roentgen Gamma)衛星に搭載されたX線望遠鏡eROSITAによるX線の全天マップです。0.3〜0.6keVのエネルギーのX線を赤、0.6〜1keVを緑、1〜2.3keVを青に色付けして合成されています。画像の中央が銀河系中心にあたります。

SRG衛星は2019年7月13日に打ち上げられ、太陽-地球系の第2ラグランジュ点(L2点)から観測を行っています。約6か月間にわたる観測により最初の全天サーベイが完了し、かつてない詳細なX線全天マップが作られました。

X線を使うと、高温・高エネルギーの宇宙を見ることができます。この全天マップには、実に100万以上のX線源が含まれています。画像には、白く見えるX線源が全体に映っています。点状のものの多くは活動銀河核(超巨大ブラックホール)で、また銀河団が広がりを持つ星雲のように見えています。

eROSITAによる全天サーベイでは、1990年代のROSAT衛星による全天サーベイと比べて約4倍も深い宇宙が観測され、10倍もの数のX線源が得られました。それは、これまで全てのX線望遠鏡によって発見されたX線源とほぼ同じ数に相当します。

Credit: Jeremy Sanders, Hermann Brunner, Andrea Merloni and the eSASS team (MPE); Eugene Churazov, Marat Gilfanov (on behalf of IKI)

この画像には、主な天体や構造の名称が書き加えられています。「Cluster」は銀河団、「SNR」は超新星残骸のことです。

画像中央やや上には、太陽系外で初めて観測されたX線源である「さそり座X-1(Sco X-1)」が明るく映っています。

銀河面の北側には、「ノース・ポーラー・スパー(North Polar Spur、北極スパー)」と呼ばれる円弧状の構造が見られます(ノース・ポーラー・スパーの正体については、太陽系の近くにある構造とする説と、遠方にある巨大な構造とする説とがあり、はっきりしたことは分かっていないようです)。

銀河面に沿ったところでは、塵とガスが低エネルギーのX線を吸収するので、高エネルギーX線源だけが青く見えています。一方、銀河面から離れたところで全体的に赤くぼんやりと輝いているのは、「ローカルバブル(局所バブル)」と呼ばれる、太陽系を取り巻くように存在する高温ガスです。

eROSITA望遠鏡は今後も3年半以上にわたって観測を続け、さらに7回の全天観測を行う予定です。

http://www.mpe.mpg.de/7461761/news20200619