オシリス・レックスの着陸地点が「Nightingale」に決定 | アストロピクス

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オシリス・レックスの着陸地点が「Nightingale」に決定

NASA(アメリカ航空宇宙局)の小惑星探査機オシリス・レックスは2018年12月に小惑星ベンヌに到着し、それ以来、サンプル採取のための着陸地点を探してきました。2019年8月には「Nightingale(ナイチンゲール。「サヨナキドリ」の意)」「Kingfisher(キングフィッシャー。「カワセミ」の意)」「Osprey(オスプレイ。「ミサゴ」の意)」「Sandpiper(サンドパイパー。「シギ」の意)」と名づけられた4か所の候補地点が発表され、表面の詳細なデータを集めつつ検討が進められて来ました。

それらの4つの候補地点の中で、Nightingaleをサンプル採取地点とすること、またOspreyをバックアップサイトとすることが12月12日に発表されました。

冒頭の画像は、Nightingaleをとらえた画像に、オシリス・レックスの大きさが分かるように図が重ねられています。Nightingaleは、直径140mのクレーター内にあります。比較的若いクレーターだと考えられており、太陽風などによる変化があまり生じていない、小惑星の原始的なサンプルを採取できる可能性が高いと考えられています。

オシリス・レックスがサンプルを採取する場所の広さは、もともと直径50mが想定されていました。Nightingaleを含むクレーター自体はそれよりも大きいのですが、オシリス・レックスが安全に着地できる領域は直径16mしかありません。そのため高い精度での誘導が必要になります。

オシリス・レックスは何度かサンプル採取ができるようになっています。しかしNightingale表面で、引き続いてのサンプル収集が難しくなる可能性もあります。その場合のバックアップサイトとして選ばれたのがOspreyです。この画像はOspreyをとらえたもので、冒頭のNightingaleの画像と同様、オシリス・レックスの大きさを示す図が重ねられています。Nightingaleでのサンプル採取の続行が難しいと判断された場合、Ospreyでのサンプル採取が行われることになります。

サンプル採取は2020年8月に予定されています。オシリス・レックスは2021年にベンヌを出発し、2023年9月に地球へ帰還する予定です。

Image Credit: NASA/Goddard/University of Arizona

https://www.asteroidmission.org/?latest-news=x-marks-the-spot-nasa-selects-site-for-asteroid-sample-collection

https://www.nasa.gov/press-release/x-marks-the-spot-nasa-selects-site-for-asteroid-sample-collection