グリーンランド北西部に広がる広大な氷床 | アストロピクス

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グリーンランド北西部に広がる広大な氷床

ヨーロッパの地球観測衛星センチネル3がとらえたグリーンランド北西部の画像です。

グリーンランドは北大西洋に浮かぶ世界最大の島で、南極大陸に次いで2番目に大きな氷床があります。グリーンランドの氷床は170万平方kmあり、島のほとんどを覆っています。

画像は2019年7月29日に撮影され、2020年5月8日にESA(ヨーロッパ宇宙機関)のウェブページに掲載されました。画像の中央から下に見える白い領域は、グリーンランドの氷床です。画像左上にあるのはカナダのエルズミーア島で、右上には北極海の海氷が白く映っています。

中央上部に、グリーンランドの氷床と北極海を結ぶ最大級の氷河の1つであるピーターマン氷河が見えています。またグリーンランドとエルズミーア島の間の海峡には氷山や海氷が見られます。

画像上端の中央付近、エルズミーア島の先端には、人が住む世界最北端の地として知られるアラートがあります。そこには主に軍人や科学者が交代で住んでいます。最も近い集落から約800km離れていますが、この距離はアラートから北極点までの距離とほぼ同じです。

最近の研究によれば、グリーンランドと南極大陸の両方で、1990年代よりも6倍の速さで氷が失われています。1992年から2017年の間にグリーンランドは、世界の海水面上昇の10mm分に相当する3.8兆tの氷を失いました。

Image Credit: contains modified Copernicus Sentinel data (2019), processed by ESA, CC BY-SA 3.0 IGO

https://www.esa.int/ESA_Multimedia/Images/2020/05/Northwest_Greenland