ルーシー探査機、小惑星ディンキネシュへの最接近を完了。観測データは今後送信 | アストロピクス

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ルーシー探査機、小惑星ディンキネシュへの最接近を完了。観測データは今後送信

NASA(アメリカ航空宇宙局)のルーシー探査機が2023年11月1日(日本時間2日)、最初の訪問天体である小惑星ディンキネシュ(Dinkinesh)に最接近しました。ディンキネシュは、小惑星帯にある小惑星です。運用チームは、最接近後に探査機からの信号を受信、探査機の状態が良好であることを確認しました。

小惑星ディンキネシュに接近するルーシー探査機の想像図
小惑星ディンキネシュに接近するルーシー探査機の想像図

ルーシーは木星のトロヤ群小惑星の探査を目指す探査機です。ディンキネシュへの接近は、主に探査機のシステムのテストを目的として行われました。

ルーシー探査機は11月1日16時54分(世界時、日本時間2日1時54分)にディンキネシュから430kmのところを、秒速4.5kmで通過したと見られています。その前後で、高解像度カメラ(L’LORRI)や熱赤外カメラ(L’TES)などによる観測も行われました。ディンキネシュは直径1kmに満たないと推定されています。小惑星帯にあるそれほど小さな小惑星が、間近から観測されたことはこれまでありません。

最接近の前後では、ルーシー探査機の高利得アンテナが地球を向いておらず、通信ができない状況でした。最接近後、高利得アンテナが地球へ向けられて通信が再開し、健康状態が良好であることが確認されました。健康状態の確認後、探査機の運用チームは、最接近中に収集されたデータを送信するようコマンドを送りました。すべてのデータが送られてくるまで最大で1週間かかるとのことです。

(参照)NASA blog - Lucy Mission(1)(2)