この映像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星ヘリコプター「インジェニュイティ」の40回目の飛行時に撮影されたものです。
このタイムラプス映像は、インジェニュイティの胴体部分に取り付けられているナビゲーションカメラで撮影された画像を元に作成しました。ナビゲーションカメラのデータは、飛行中にリアルタイムで位置や姿勢を決定するために使われており、飛行中に火星表面を追跡するため真下を向いています。
40回目の飛行は2023年1月19日(681火星日)に行われました。最高速度は秒速3.2mで飛行距離は178m、最高高度10mで、91.6秒間飛行しました。「Airfield Z」と呼ばれる地点から離陸し、「Airfield Beta」と呼ばれる地点に着陸しました。
今回インジェニュイティは、火星探査車パーサヴィアランスが以前走行した場所の上空も飛行しました。映像の途中でパーサヴィアランスの車輪の跡が映っています。
映像の最初の部分で、地面に小さな穴が8つ見えます。これはインジェニュイティの脚の跡です。インジェニュイティには4本の脚があり、前回39回目の飛行時に「Airfield Z」で離着陸したため、8つの跡が残っているのです。
また映像の冒頭では右上にインジェニュイティの影が大きく映っています。上昇するにつれて影は小さくなっていきますが、よく見ると映像全体を通して右上側に小さな点として影が映っているのがわかります。
インジェニュイティは、パーサヴィアランスに連れられて火星に降り立ちました。2021年4月に初飛行に成功、その後、当初の予想をはるかにこえて稼働しており、現在も飛行を続けています。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech
映像制作: Noriaki Okamoto