ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた木星最新画像(2022年11月、2023年1月撮影) | アストロピクス

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ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた木星最新画像(2022年11月、2023年1月撮影)

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた木星の最新画像が公開されました。2014年からスタートした、ハッブル宇宙望遠鏡で外惑星の大気を観測するプロジェクト「OPAL(Outer Planet Atmospheres Legacy)」の一環で撮影されたものです。

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2022年11月撮影の画像

この画像は2022年11月12日に撮影されたもので、木星の手前に衛星イオが映り、そのイオの影が木星表面(左側)に落ちています。ハッブル宇宙望遠鏡の高い解像度により、イオの表面の模様も見えています。その模様はイオで起きている火山活動によるものです。火山から噴き出した硫黄は、温度によってさまざまな色合いを呈するため、イオの表面は非常にカラフルになっています。イオの火山は、1979年にボイジャー1号が接近して観測したときに発見されました。地球以外で活火山が見つかったのはイオが初めてです。

木星の表面には、赤道に平行な縞模様が見られます。よくみると、それぞれの縞の部分にも、さまざまな形の雲があることがわかります。南半球には、楕円形をした嵐がいくつか見られます。北半球の低緯度地域には、ゆがんだ形の渦が列をなしています。ここでは高気圧と低気圧が入れ子になっており、時計回りと反時計回りに動く歯車のように固定されています。それぞれの嵐が合体すれば大赤斑に匹敵するサイズのものになる可能性もありますが、高気圧と低気圧が互い違いになっていることから、個々の嵐が合体することはありません。

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2023年1月撮影の画像

こちらは2023年1月6日に撮影されたものです。こちらの画像の主役は、中央下に見られる大赤斑。大赤斑は、地球がまるごと1個入ってしまうほどの高気圧性の巨大な渦ですが、過去に観測されたものと比べて小さくなっていることが知られています。木星の手前には衛星ガニメデが映っています。ガニメデは、惑星である水星より大きく、太陽系の衛星の中では最大の天体です。

撮影時の木星までの距離の違いにより、1枚目よりも2枚目のほうが小さく映っています。

Credits
SCIENCE: NASA, ESA, STScI, Amy Simon (NASA-GSFC), Michael H. Wong (UC Berkeley)
IMAGE PROCESSING: Joseph DePasquale (STScI)

(参照)Hubblesite