この画像には、NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーがとらえた木星が映っています。2024年3月7日、ジュノー探査機が59回目の木星フライバイを行った際に撮影されました。南半球に巨大な高気圧性の渦である大赤斑が見えるほか、赤道に平行な縞模様や小さな嵐なども映っています。
実はこれら2枚の画像には、木星だけでなく木星の衛星アマルテアも映っているのですが、どこにあるかわかるでしょうか。
小さな点として見えている衛星アマルテア
こちらは冒頭の画像の一部のクローズアップです。矢印の先に小さな点として見えているのが、木星の衛星アマルテアです。アマルテアは半径が125×73×64kmしかない非常に小さな衛星です。ガリレオ衛星のうち最も内側を公転するイオよりも内側にあり、0.498日で木星を1周しています。ちなみに木星の赤道半径は7万1492kmです。
アマルテアは、太陽から受け取る熱よりも多くの熱を放出していることが観測から知られています。これは木星の強烈な磁場の中を周回しているときに、アマルテアの核に電流が誘導されるためかもしれません。あるいは、木星の重力に起因する潮汐力によって熱が発生している可能性があります。
ジュノー探査機は現在、38日で木星を1周しています。ジュノー探査機は木星に最接近するたびに搭載するカメラ「ジュノーカム」で木星や衛星を撮影しています。そのデータは一般に公開され、誰でも処理することが可能です。この画像は、市民科学者のGerald Eichstädt氏がジュノーカムのデータを元に作成したものです。
Image Credit:
Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS
Image processing by Gerald Eichstädt
(参照)NASA