大質量星に近い星では惑星は生まれにくい!?

地球から2万光年の距離のところにある「ガム29」という星形成領域の中に、「ウェスタールンド2」という誕生して200万年ほどしか経っていない若い星団があります。ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ25周年記念として、ウェスタールンド2のこの画像が2015年に公開されたことをご存知の方もいるでしょう。そのウェスタールンド2の星に関してハッブル宇宙望遠鏡を使って行われた、3年間にわたる研究の成果が発表されました。

研究チームは、ウェスタールンド2に存在する太陽の0.1〜5倍の質量を持つ約5000個の星のうち、1500個の星の光が劇的に変動しているのを発見しました。ただそのような変動が検知されたのは星団の外の方にある星だけで、星団の中心から4光年以内にある星では明るさの変動は見られませんでした。

恒星のまわりにあるガスと塵の円盤の中で惑星は形成されます。明るさの変動は、円盤の中にある、いずれ惑星になる高密度の塵の雲が星の手前側を通過するために起きるとみられています。星団の中心付近にある星にはそのような塵の雲がないために明るさが変動せず、外の方にある星には円盤内にそのような塵の雲が存在しているために明るさが変動したのです。

ではなぜ中心付近の星の円盤には、高密度の塵の雲がないのでしょうか。

星団の中心部には、少なくとも30個の大質量星があり、中には太陽の80倍の質量を持つものもあります。そのような大質量星からの強烈な紫外線と星風が、近くにある比較的低質量の星の周囲の円盤を侵食して塵の雲を消散させているのです。

「星団内の大質量星の近くにある低質量の星に円盤が存在していても、その円盤の構造(惑星を形成する能力)は、星団の中心から遠く離れた穏やかな環境にある星の円盤とは大きく異なっているようです」と研究を率いるElena Sabbi氏は言います。「この情報は、惑星形成や恒星進化のモデルを構築する上で重要です」

Image Credit: Image Credit: NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA), A. Nota (ESA/STScI), and the Westerlund 2 Science Team

映像Credit: NASA, ESA, G. Bacon, L. Frattare, Z. Levay, and F. Summers (Viz3D Team, STScI), and J. Anderson (STScI); Acknowledgment: The Hubble Heritage Team (STScI/AURA), A. Nota (ESA/STScI), the Westerlund 2 Science Team, and ESO

https://www.nasa.gov/feature/goddard/2020/in-planet-formation-its-location-location-location

https://www.spacetelescope.org/news/heic2009/

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