この映像は、今後45万年間でオリオン座周辺の星の位置がどのように変化するのかを示したものです。ESA(ヨーロッパ宇宙機関)のガイア衛星やヒッパルコス衛星のデータに基づいて作られました。ガイアやヒッパルコスは、恒星の3次元的な位置や動きなどを調べるための衛星です。
ベテルギウスやリゲルなどの星々は、夜空に固定しているように見えることから恒なる星「恒星」と呼ばれています。しかし恒星は宇宙で静止しているわけではありません。恒星は天の川銀河の中を運動しています。人の一生のような短期間では、その運動を肉眼で見ることはできません。しかしガイアなどによる高精度の観測では、その動きをとらえることが可能です。
冒頭の映像は、45万年間の恒星の動きを1分間に縮めたものです。映像開始時には中央上にベテルギウスが見えていますが、10万年後にはこの視野の外に消えていきます。開始時にフレーム右に見えるおうし座のアルデバランは、左下へと動いていきます。一方でオリオンの三つ星やリゲルなどはそれほど位置が変わりません。
Copyright: ESA/Gaia/DPAC, CC BY-SA 3.0 IGO