この画像に映っているのは、渦巻銀河M33(NGC 598)です。さんかく座の方向、地球から約300万光年の距離にあり、「さんかく座銀河」とも呼ばれています。画像はアメリカ、キットピーク国立天文台の口径4mメイヨール望遠鏡で撮影され、NOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から2022年8月17日に公開されました。
さんかく座銀河は、天の川銀河やアンドロメダ銀河などとともに「局所銀河群」に属する銀河の1つです。さんかく座銀河はアンドロメダ銀河の近くにあり、アンドロメダ銀河の伴銀河(衛星銀河)であると提案する研究があります。
一方、これらの2つの銀河は独立しており、両者をつなぐ星と中性水素ガスの流れが示すように、単に近くを通り過ぎただけである可能性があるとする研究もあります。
いずれにしても、さんかく座銀河とアンドロメダ銀河は25億年後には衝突し、その後、合体して最終的には1つのレンズ状銀河になるとみられています。
なおアストロピクスでは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLTサーベイ望遠鏡(VST)で撮影された、さんかく座銀河の全体像が映った画像を紹介したことがあります。興味のある方はご覧ください。→「ESOのVSTでとらえた、さんかく座銀河M33の超高解像度画像」
Image Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA
Image processing: M. Zamani (NSF’s NOIRLab), A. Hussein (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)
(参照)NOIRLab