南米チリで撮られた天の川の中心付近とカラフルな星雲 | アストロピクス

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南米チリで撮られた天の川の中心付近とカラフルな星雲

南米チリのセロ・パチョン付近で撮影された天の川の画像。セロ・パチョンには、ジェミニ南望遠鏡やSOAR望遠鏡、建設中のベラ・ルービン天文台など、NSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)が運用する施設がいくつかあります。

画像には天の川の銀河系中心付近が映っています。「グレート・リフト(巨大な裂け目)」と呼ばれるガスと塵からなる暗い星雲の帯が、奥にある星の光を遮って暗く見えています。

画像中央右側に見られる、赤や黄、青色などカラフルな星雲は「へびつかい座ロー」と呼ばれる星形成領域です。青や黄の領域は近くの星の光を散乱させている反射星雲、赤く見えている領域は水素ガスが電離して輝く輝線星雲です。へびつかい座ローには、さそり座の1等星アンタレスも見えています。この領域の上に赤くぼんやりと輝いているのは、へびつかい座ゼータ星を取り巻いている星雲Sh2-27です。

画面右側には「対日照」がうっすらと白く見えています。小さな塵に太陽光が反射して光って見えているもので、太陽の反対側に見られます。塵の発生源としては、彗星の尾や小天体の衝突など、さまざまなものがあります。

画像はNOIRLabから2022年12月7日に「Images of the Week」として公開されました。

Image Credit: NOIRLab/NSF/AURA/ P. Horálek (Institute of Physics in Opava)

(参照)NOIRLab