
この写真は、ISS(国際宇宙ステーション)から撮影されたもので、大小さまざまな雲が映っています。ISSに滞在する宇宙飛行士が撮影したものではなく、EHDC(外部高精細カメラ)で撮影されたものです。EHDCはISSや地球を撮影するためにモジュールの外部に設置されています。
写真の撮影時、ISSはカナダ東部のノバスコシア州の沖合およそ500kmの大西洋北西部上空を飛行していました。写真は夜明けの太陽光に向かって東向きで撮影されたもので、雲の手前側が陰になっています。海面は太陽光が反射して金色に輝いています。
写真中ほどに、雲頂部分が平らになって水平方向へ広範囲に広がっている雲があります。これは巨大な「かなとこ雲」です。上空へ発達した積乱雲が対流圏と成層圏の境界(対流圏界面)に達すると、それ以上は上に発達することができず水平方向へ広がっていき、かなとこ雲が形成されます。巨大なかなとこ雲の手前側にも、水平方向へ広がり始めたばかりの積乱雲が2つ映っています。
写真は2021年11月4日に撮影され、NASA Earth Observatoryの2022年2月21日の「Image of the Day(今日の1枚)」として紹介されたものです。
Image courtesy of the Earth Science and Remote Sensing Unit, NASA Johnson Space Center
(参考記事)ISS(国際宇宙ステーション)から見た「かなとこ雲」
(参照)NASA Earth Observatory、Gateway to Astronaut Photography of Earth

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