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宇宙には銀河がばらばらに存在しているわけではなく、銀河どうしが集団を作って存在しています。そのような集団のうち、数千もの銀河が集まったものを「銀河団」といいます。ときに銀河団どうしが、強大な重力によって引き寄せられ衝突することがあります。上の画像は、そのような銀河団どうしの衝突によって発生した衝撃波を画像にしたものです。
画像で白っぽくぼんやりと見えているのは、銀河団Abell 3667内のガスの分布です。1つ1つの銀河は小さすぎて見えていません。右上と右下には、10億年以上前に2つの銀河団が衝突してAbell 3667が形成された際に発生した衝撃波が映っています。衝撃波によって光速近くまで加速された電子が磁場を横切ったときに放射される電波をとらえたものです。
衝撃波は今もまだ、新たに形成された銀河団の中を秒速1500kmもの速度で伝わっています。衝撃波の幅は650万光年にも及んでいます。これは天の川銀河の直径の60倍以上に相当します。
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こちらは右上側の衝撃波のクローズアップです。複雑なフィラメント構造が映っています。光の点は銀河で、そのほとんどは銀河団には属していない、手前か奥にある銀河です。右上には同じ距離に置いた場合の天の川銀河の見かけの大きさも示しています。
画像は南アフリカにあるミーアキャット(MeerKAT)電波望遠鏡で撮影されました。
Image credit: Francesco de Gasperin, SARAO
(参照)SARAO