NASAが新映像を公開! 連星ブラックホールのガス円盤はどう見える?

連星ブラックホールの周囲にある降着円盤を可視化した映像がNASA(アメリカ航空宇宙局)から公開されました。ブラックホールに引き寄せられるガスは、円盤状に回転しながらブラックホールに落ち込んでいきます。そのガス円盤は「降着円盤」と呼ばれています。画像は2つのブラックホールの降着円盤が、視線方向で重なったときにどのように見えるかを可視化したものです。

重力によって光は曲がります。ブラックホールの巨大な重力が降着円盤からの光を曲げることで、横から見たときに円盤が上下に回り込んだような像になります。また一方のブラックホールがもう一方のブラックホールの手前を通過すると、手前のブラックホールの重力によって奥にあるブラックホールの降着円盤の像が円弧のように変形します。

映像に映る2つのブラックホールは、赤い方が太陽の2億倍の質量を持つブラックホール、青い方がその半分の質量のブラックホールです。降着円盤が赤と青に色分けされているのは、どちらのブラックホールの降着円盤なのかを分かりやすくするためです。小さなブラックホールの方が降着円盤のガスの温度は高くなり放射される光の波長は短くなります。小さなブラックホールの降着円盤が青くなっているのは、そのことを反映しています。

降着円盤を真横から見たとき、円盤の片側が明るく見えます。相対性理論の効果により、回転して手前に向かってくる側が明るく、遠ざかる側が暗く見えるのです。またやはり相対性理論の効果により、降着円盤が近づくと小さく明るく見え、遠ざかると大きく暗く見えています。

この映像を制作したJeremy Schnittman氏は以前、単独のブラックホール周辺の降着円盤を可視化した映像を制作したことがあります。今回の映像は、以前のものをさらに発展させたものです。

こちらは2つの円盤を正面から見たものです。小さい方のブラックホールの降着円盤の中に、大きい方のブラックホールの降着円盤が見えています(枠内)。赤い降着円盤の光が小さい方のブラックホールの重力によって90度曲げられているのです。一方、赤い降着円盤の中にも青い降着円盤が見えています。

Image Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center/Jeremy Schnittman and Brian P. Powell

(参照)Goddard Media Studios