電波と可視光でとらえた渦巻銀河NGC 4303のガスと星々

この画像に映っているのは、おとめ座の方向、約5500万光年の距離にある渦巻銀河NGC 4303(M61)です。電波と可視光で撮影された画像を合成したものです。

黄色っぽく見えている部分は南米チリにあるアルマ望遠鏡が撮影したもので、星を形成する材料となる分子ガスの雲が映っています。背景の青みがかった画像は、同じく南米チリにあるESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)に搭載された観測装置MUSEで撮影されたもので、すでに形成された星々が映っています。ガスと星の分布を比較することによって、新たな星の誕生のきっかけとなっているのは何か、また誕生を促進したり妨げたりしているものが何かを研究することができます。

画像は「PHANGS(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS:近傍銀河の高解像度観測による物理学研究)」というプロジェクトの一環で撮影されたものです。PHANGSでは、地上や宇宙にある望遠鏡を用いて、さまざまな波長で近傍銀河を詳細に観測しています。

画像はESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」として、2023年2月6日に公開されました。

Image Credit: ESO/ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/PHANGS

(参照)ESO