この画像は火星の赤道付近にある谷底の砂丘を、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえたものです。
直線状の砂丘の峰が方向をそろえて並んでいます。このような砂丘の峰は「TAR(transverse aeolian ridges)」と呼ばれます(TARを「横風の峰」と訳している媒体もあります)。この画像に映る砂丘の峰は、谷が伸びる方向とは直角に並んでいます。
画像に映るこの場所のTARには、小さな風紋のような二次構造を持つものもあります。砂丘がこのような小さな風紋におおわれることはよくあることで、風紋はしばしば砂丘とは別の方向に並んでいます。小さな風紋の多くは、大きな砂丘で風の向きが変わることで形成されているのかもしれません。
マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2014年5月9日に撮影されたもので、2021年1月16日のHiPODとして紹介された画像です。
Image Credit: NASA/JPL/UArizona
(参照)HiRISE