火星の小クレーターから飛び出した明るい噴出物

火星の南半球の高地にある小さなクレーターを、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえた画像です。この小クレーターは、直径15kmほどのクレーターの中にあります。

左上に見られるクレーターからの噴出物が、クレーターの周囲に明るい色調で映っています。噴出物が明るく映っていることは、火星大気中を舞う比較的暗い色の塵によってまだ覆われていないことを示しています。そのことから、このクレーターが比較的最近できたことが分かります。このクレーターはまた、内部がかなり浅く滑らかになっています。

なお画像は青緑、赤、赤外で取得した画像を青、緑、赤に割り当てて色合成した擬似カラー画像ですので、肉眼で見た色とは異なります。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2014年1月9日に撮影されたもので、2020年12月28日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE