
NASA(アメリカ航空宇宙局)の月探査機ルナー・リコネッサンス・オービター(LRO)がとらえた「地球の出」の画像です。2015年10月12日に撮影された一連の画像から作成されました。
撮影時、LROは月の裏側にあるコンプトン・クレーターの上空約134kmのところに位置していました。画像に映る地球には、大西洋をはさんでアフリカ大陸や南アメリカ大陸などが見えています。黄土色の部分はサハラ砂漠です。
「地球の出」が見られるのは周回機ならでは
月は常にほぼ同じ面を地球に向けています。そのため、月面に立って地球を見ると、地球は常に空のほぼ同じ場所に見えることになります。地球の表面から見ると月は東の空から昇り西の空へ沈んでいきますが、月面からでは基本的に「地球の出」や「地球の入り」を見ることはできないのです。この画像のような「地球の出」が見られるのは、探査機が月を周回しているからです。
LROは通常、観測のためにカメラを月面に向けています。ときおり、月に存在するごく薄い大気を観測するために、カメラを宇宙空間の方へ向けることがあり、そのときに地球がカメラの視野に入ってくることがあります。上の画像は、そのような機会を利用して撮影されたものです。
Image Credit: NASA/Goddard/Arizona State University

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