
この画像は、カリーナ星雲にあるガスと塵からなる柱状の構造の先端部分をハッブル宇宙望遠鏡が撮影したものです。カリーナ星雲は、りゅうこつ座の方向、地球から7500光年の距離にあります。
紫外線や恒星風が星雲を削って形成
画像に映っているのは、高さ約3光年の柱状構造の先端部分です。画像の枠外の上方に大質量星が存在しており、その星からの紫外線や恒星風(荷電粒子の流れ)がガス雲を削ることで、このような柱状の構造が形成されています。わし星雲にある有名な「創造の柱」と同様、高密度の部分が紫外線や恒星風に耐えて残ったものです。表面からガスや塵が筋状に流れ出しているのも映っています。
この柱状の構造の中には生まれたばかりの星が潜んでいます。画像中央付近には、そのような星から噴き出したジェットの一部も映っています。
画像はハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されました。WFC3は、2009年5月にスペースシャトルによって行われた保守ミッション4(SM4)によって、従来のWFC2(広視野カメラ2)に替えて取り付けられました。冒頭の画像は、交換されたばかりのWFC3を使って2009年7月に撮影されたものです。(参考)ハッブル宇宙望遠鏡 〜 打ち上げまでの経緯と5回の保守ミッション
(参考)
南天の巨大な星形成領域「カリーナ星雲」
わし星雲の「創造の柱」 〜 ハッブルが2014年に撮影
Image Credit: NASA, ESA, and the Hubble SM4 ERO Team
(参照)NASA、ESA/Hubble

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