
この画像には、ユークリッド宇宙望遠鏡がとらえた「LDN 1641」と呼ばれる暗黒星雲の一部が映っています。LDN 1641はオリオン座の方向、地球から約1300光年離れたところにある「オリオン座分子雲複合体」と呼ばれる広大なガス雲の一部です。
この領域を可視光で見ると非常に暗く、ほとんど何もないところに星が点在しているように見えます。しかしユークリッド望遠鏡が赤外線で撮影したところ、ガスと塵の雲に隠れた多くの星が見えてきました。画像の左上側では、星だけでなく、遠方にある多くの銀河も見えています。
この星雲には生まれつつある星が数多く存在しています。画像には、そのような天体から物質が噴出しているものも映っています。
画像は2025年11月5日にESA(ヨーロッパ宇宙機関)から公開されました。
ユークリッド宇宙望遠鏡
ユークリッド宇宙望遠鏡は、太陽・地球系の第2ラグランジュ点(L2)を周回する軌道から観測を行っています。L2は、地球からみて太陽の反対側、約150万km離れたところにあります。
ユークリッド宇宙望遠鏡の目的は、全天の3分の1の領域について100億光年先までの銀河の形状や位置、距離などを測定し、宇宙の3Dマップを作成することです。それにより、ダークエネルギー(暗黒エネルギー)やダークマター(暗黒物質)の解明などを目指しています。
(参考記事)ユークリッド宇宙望遠鏡 銀河の精密な3Dマップを作り宇宙の「暗黒」の解明を目指す
Image Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, image processing by M. Schirmer (MPIA, Heidelberg)
(参照)ESA

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