48億光年先と110億光年先の天体が作り出したアインシュタインリング すばる望遠鏡が撮影 | アストロピクス

48億光年先と110億光年先の天体が作り出したアインシュタインリング すばる望遠鏡が撮影

この画像の中央には、オレンジ色に見える天体の周りに青いリングが見えています。オレンジ色に見えているのは48億光年先の天体、そして青いリング状に見えているのは110億光年かなたにある天体です。画像はハワイ島、マウナケア山頂付近にある「すばる望遠鏡」の超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム、HSC)」で撮影されました。

アインシュタインの一般相対性理論によれば、天体の周囲では空間がゆがみ光が曲がります。重力がレンズのような役割をすることから、そのような現象は「重力レンズ」と呼ばれます。重力レンズによって、遠方にある天体の像が引き伸ばされたりゆがんだりすることがあります。

遠方と手前側の2つの天体が、ほぼ一直線上に位置していると、遠方の天体の像がリング状にゆがんで「アインシュタインリング」と呼ばれる現象が見られます。冒頭の画像はアインシュタインリングの一例で、もともとSDSS(スローン・デジタル・スカイ・サーベイ)の観測で発見されました。

すばる望遠鏡は、ハワイ島のマウナケア山頂付近に設置されている、口径8.2mの巨大望遠鏡です。すばる望遠鏡は、1999年1月のファーストライト以来、2024年で25周年を迎えました。25周年を記念して、国立天文台は2024年4月から毎月2枚ずつ、すばる望遠鏡が撮影した天体画像を紹介しています。今回紹介した画像は、2025年2月5日に、すばる望遠鏡のウェブページで紹介されたものです。

(参考)
「すばる望遠鏡25周年記念画像」記事一覧
「アインシュタイン・リング」記事一覧

Image Credit: 国立天文台; 画像提供: 田中賢幸

(参照)すばる望遠鏡