南米チリの空に尾をなびかせたアトラス彗星(C/2024 G3) | アストロピクス

南米チリの空に尾をなびかせたアトラス彗星(C/2024 G3)

この画像に映っているのはアトラス彗星(C/2024 G3)です。南米チリにあるセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)のSOAR望遠鏡の所長であるCesar Briceño氏が撮影しました。SOAR望遠鏡は、セロ・トロロから南東に10kmほど離れたセロ・パチョン山に設置されています。

彗星の本体(核)は、塵がまじった雪の塊のようなものです。太陽に近づいて温度が上がると氷が昇華してガスとなり、塵とともに噴き出します。噴き出したガスや塵は核の周りを包むように「コマ」と呼ばれる一時的な大気を形成します。彗星の尾は、ガス(イオン)や塵が太陽風や太陽光の圧力によって太陽とは反対方向へ流されたものです。

冒頭の画像では、左下側でコマが明るく輝いて核を覆い隠しています。そこから伸びる上側の尾は「塵の尾」で、太陽光を反射して明るく見えています。下側の尾はガスが電離して光っている「イオンの尾」です。

画像は、NSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から2025年2月12日に「Images of the Week」として公開されたものです。

(参考)「アトラス彗星(C/2024 G3)」記事一覧

Image Credit: CTIO/NOIRLab/NSF/AURA/C. Briceño

(参照)NOIRLab