この画像に映っているのは、「さんかく座銀河」とも呼ばれる渦巻銀河M33の中心付近です。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影しました。M33は天の川銀河の半分ほどの大きさで、局所銀河群の中ではアンドロメダ銀河、天の川銀河についで3番目に大きな銀河です。
M33では星形成が活発で、アンドロメダ銀河の平均より10倍ほどの速度で星が形成されています。M33には星の材料となるガスと塵が豊富にあり、H-II領域と呼ばれる、電離した水素ガスの星雲も多く存在しています。冒頭の画像では、H-II領域は赤みがかった雲として見えています。ハッブル望遠鏡の画像では、個々の星も分解して映し出されています。
M33には、はっきりとしたバルジ(銀河の中央部のふくらみ)がありません。また中心に超巨大ブラックホールが存在する兆候がないことが知られています。M33のようにバルジのない渦巻銀河は「pure disk galaxy」と呼ばれ、宇宙にある銀河のうち15〜18%ほどを占めるとみられています。
こちらの画像の左下の枠内にはM33の全体像が映っており、冒頭のハッブル望遠鏡の画像の範囲が示されています。
(参考記事)ESOのVSTでとらえた、さんかく座銀河M33の超高解像度画像
(参照)NASA