火星の南極にあるドライアイスの溶け残りと円形の穴

この画像に映っているのは、火星の南極冠のごく一部です。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえました。火星の南半球の夏の終わりの時期に撮影された画像です。

画像左側のやや明るく見える部分は、二酸化炭素の氷(ドライアイス)です。火星の南極では、冬になると水の氷の上を二酸化炭素の氷が覆います。暖かくなると二酸化炭素の氷は昇華してなくなっていきますが、夏になっても残る部分があります。そのように夏になっても残る二酸化炭素の氷の部分は「残留極冠」と呼ばれます。

画像右上には、やや深く窪んだ円形の地形が見られます。これは衝突クレーターか、あるいは崩壊によってできた穴かもしれません。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2017年3月25日に撮影されたもので、2024年7月12日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE