暗黒星雲に部分的に隠された渦巻銀河IC 4633 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、渦巻銀河IC 4633が映っています。IC 4633は、ふうちょう座の方向、約1億光年の距離にあります。IC 4633は星形成が活発な銀河で、中心には活動的な銀河中心核があります。

画像左側に見られる渦状腕は青色に輝いていますが、右側はそうではありません。IC 4633が部分的に、手前にある暗黒星雲によって隠されてしまっているためにそのように見えています。その暗黒星雲は、カメレオン座分子雲と呼ばれる星形成領域の一部です。カメレオン座分子雲は天の川銀河内、地球からわずか500光年の距離にあります。

カメレオン座分子雲は、Cha I、Cha II、Cha IIIという3つの分子雲が有名ですが、IC 4633の一部を覆い隠しているのは、それら3つの分子雲の東にある「MW9」あるいは「南天のへび(South Celestial Serpent)」と呼ばれる、南天の極付近を蛇行する広大な分子雲です。これは「integrated flux nebula(IFN)」と呼ばれるガスと塵の雲で、いずれかの星の近くにあるわけではなく、銀河全体の星々の光によってかすかに照らされています。

画像はハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2024年4月8日に公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Dalcanton, Dark Energy Survey/DOE/FNAL/DECam/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA; Acknowledgement: L. Shatz

(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧

(参照)ESA/Hubble