アルマ望遠鏡の観測により、天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)である大マゼラン銀河で、若い星のまわりにあるガスと塵の円盤が発見されました。若い星のまわりの円盤が、天の川銀河以外で発見されたのは今回が初めてです。
イギリス、ダラム大学のAnna McLeod氏らによる今回の研究は、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)に設置された装置MUSEによる観測をフォローアップ観測したものです。MUSEの観測により、大マゼラン銀河にあるガス雲LHA 120-N 180Bの内部で形成中の星(HH 1177)から噴き出すジェットが発見されていました。研究チームは星のまわりにあるとみられる円盤を確認するべく、アルマ望遠鏡で観測を行ったのです。
円盤は星のまわりを回転しているので、場所によって地球に近づいたり遠ざかったりします。遠ざかる場所からの光は赤方偏移(波長が長くなる方へずれる現象)し、近づく場所からの光は青方偏移(波長が短くなる方へずれる現象)します。アルマ望遠鏡により円盤の回転を識別することができたことで、天の川銀河以外での若い星の周りにある円盤の検出が確認されました。