南極のオゾンホールが史上最大級に トンガの大噴火も影響か?

ヨーロッパの地球観測衛星コペルニクス・センチネル5Pの観測によって、2023年の南極のオゾンホールが、観測史上最大級のものの1つとなったことがわかりました。オゾンホールの面積は、2023年9月16日時点で2600万平方kmに及んでいます。これはブラジルの約3倍の広さに相当します。

このアニメーションは、2023年9月1日から29日までの、南極上空のオゾンホールの変化を示したものです。

南極のオゾンホールは例年、8月から10月にかけて大きくなり、9月中旬〜10月中旬に最大になります。その後、12月末までに通常のレベルに戻ります。2023年は例年より早くオゾンホールが出現し、8月中旬以降、急速に拡大しました。

今年のオゾンホールが大きくなったのには、2022年1月に発生した、トンガのフンガトンガ・フンガハアパイの大噴火が関係していると推測する研究者もいます。大噴火により成層圏に達した大量の水蒸気が、2022年のオゾンホール終了後に南極上空に到達。水蒸気が極成層圏雲の形成を促進し、クロロフルオロカーボン(フロン)が反応してオゾン層の破壊を加速した可能性があるとのことです。

Image & Movie Credit: contains modified Copernicus Sentinel data (2023)/processed DLR

(参照)ESA