2つの銀河の合体で形成か 不規則銀河Arp 263 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した不規則銀河Arp 263(NGC 3239)です。赤く輝く星形成領域が散在しているのが映っています。Arp 263は、しし座の方向、約2500万光年の距離にあります。不規則な外観をしているのは、かつて2つの銀河の合体によって形成されたためだとみられています。

放射状に伸びる光のすじ(回折スパイク)を伴っている明るい星は、手前にある恒星BD+17 2217です。このような回折スパイクは自然の光ではなく、ハッブル望遠鏡の構造に由来するものです。

この画像はACS(掃天観測用高性能カメラ)とWFC3(広視野カメラ3)と使って行われた、異なる2つの観測のデータがもとになっています。1つは、かつてArp 263で観測された超新星SN 2012Aなど、超新星が最近発生した場所を観測する取り組みの一環として調査されたものです。WFC3を使い、超新星の名残が調べられました。

もう1つの調査は、Arpカタログにある天体のうち、Arp 263を含めてこれまで観測されていない特異銀河を画像化するための取り組みの一環で行われたものです。こちらはACSで撮影されました。

画像は2023年7月17日に、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Dalcanton, A. Filippenko

(参照)ESA/Hubble