宇宙初期の銀河の成長は、ガスが周囲から降着することで引き起こされることが知られており、シミュレーションは銀河に流れ込んで栄養分を与えるガス流の存在を予言しています。アルマ望遠鏡の観測から、宇宙誕生15億年後ごろの銀河「4C 41.17」に流れ込む、炭素原子が豊富な低温のガス流が明らかになりました。流れ込むガスの量は毎年数百個の新しい星を形成できるほど。これは「4C 41.17」でこれまで観測された星形成の速度と一致します。
NRAO(アメリカ国立電波天文台)などの研究チームは、水素ガスが網目状に分布する「宇宙網(cosmic web)」と呼ばれる構造からガス流が来ていると考えています。宇宙網には主に水素とヘリウムが含まれていますが、恒星の中でしか生成されない炭素がガス流に含まれていることは、小さな銀河が運ばれていることを意味している可能性もあるようです。【1分で読む宇宙ニュース】
(参照)IAA-CSIC