ウェッブ望遠鏡がとらえたカメレオンI分子雲の中心領域

この画像は、地球から630光年の距離にあるカメレオンI分子雲の中心領域を、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえたものです。低温の淡い星雲の物質(中央付近、青)が、アウトフローを伴う若い原始星Ced 110 IRS 4(左上、オレンジ)によって赤外線で照らされています。

星雲の向こう側には、多数の星々がオレンジ色の点として見えています。それらの背景の星からの光は、星雲内の氷を検出するのに利用できます。それらの星の光が氷を通過するときに、光の一部が氷分子によって吸収されるからです。

ウェッブ望遠鏡の観測によって、カメレオンI分子雲で水の氷に加えて、二酸化炭素、アンモニア、メタン、メタノールなどの氷が発見されました。それらの氷は、いずれ生まれてくる惑星に組み込まれることになります。今回の発見は、生命の構成要素の元になる分子がどのように形成されたのかという問題にもつながる発見だとのことです。

こちらの画像は、今回の研究で使われた、星雲の向こうにある2つの星「NIR38」と「J110621」を示したものです。

Image Credit: NASA, ESA, CSA, and M. Zamani (ESA/Webb); Science: F. Sun (Steward Observatory), Z. Smith (Open University), and the Ice Age ERS Team.

(参照)Webb Space TelescopeESA/Webb