この画像は、矮小不規則銀河「I Zwicky 18」をジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえたものです。I Zwicky 18は、おおぐま座の方向、地球から約5900万光年の距離に位置しています。
この銀河ではこれまで、スターバースト(爆発的な星形成)が何度か発生してきました。画像では、2つのスターバースト領域が、銀河の中心部に埋め込まれているのが映っています。
中央のスターバースト領域を囲む明るい茶色のフィラメントは、高温の若い星からの星風と強烈な紫外線放射によって加熱されたガスの泡です。I Zwicky 18は、この画像には映っていない別の銀河と相互作用している可能性があり、それがI Zwicky 18での最近の星形成の引き金になった可能性があります。
I Zwicky 18について以前は、非常に若い銀河だと見られていました。しかしハッブル宇宙望遠鏡の観測により、10億年前〜100億年前に形成されたとみられる古く赤い星々が見つかったことから、現在ではI Zwicky 18はほかの多くの銀河と同時期に形成されたと考えられています。
ウェッブ望遠鏡の新たなデータは、I Zwicky 18の2つの主要な星形成領域で、スターバーストが異なる時期に発生したことを示しています。最も強力なスターバースト活動は、南東側に比べ北西側でより最近になって起こったと考えられています。
ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。今回紹介した画像は2024年3月26日にPicture of the Monthとして掲載されたものです。
Image Credit: ESA/Webb, NASA, CSA, A. Hirschauer, M. Meixner et al.
(参考)ウェッブ望遠鏡Picture of the Month
(参照)ESA/Webb