リングがくっきり! ウェッブ望遠鏡がとらえた海王星の最新画像

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が海王星を撮影した初画像が公開されました。画像には海王星本体はもちろん、リングや衛星もはっきりと映っています。リングがこれほど鮮明に撮影されたのは1989年の探査機ボイジャー2号以来のことです(ボイジャー2号は海王星に接近しての観測でした)。

海王星は太陽から最も遠くにある最果ての惑星で、太陽〜地球間の距離の30倍(30天文単位)も離れたところを公転しています。ボイジャー探査機やハッブル宇宙望遠鏡などによる可視光の画像では、海王星は青く見えます。これは大気中に含まれるメタンが、太陽光の中の赤い光を吸収し青い光を散乱するためです。

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メタンの吸収によりNIRCamの観測波長では海王星は暗く映る

冒頭の画像は2022年7月12日、ウェッブ望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)を使い0.6〜5μmの近赤外線で撮影されました。大気中のメタンガスがその波長の赤外線を強く吸収するため海王星は暗く映っています。明るい筋や点として見えているのは高高度にあるメタンの氷の雲で、メタンガスによって吸収される前に太陽光を反射しています。

赤道上にかすかに明るい線が見えます。これは海王星の大気循環に関連している可能性があります。海王星の大気は赤道で下降して温められるため、周囲の低温ガスと比べて赤外線の波長で明るくなるのです。

海王星の自転軸は約28度傾いており、画像が撮影された時期には地球から海王星の北極地域は見えていません。とはいえ画像からは北極付近が明るくなっているように見えます。南極の渦を取り囲む連続した雲の帯も、ウェッブ望遠鏡により初めて明らかになりました。

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衛星14個のうち7個がとらえられた

こちらの画像には、14個が知られている海王星の衛星のうち、最大の衛星トリトンを含む7個の衛星が映っています。窒素の氷に覆われたトリトンは、太陽光の70%を反射します。海王星は前述のようにメタンによる吸収のため暗くなっているため、海王星よりトリトンのほうが明るく見えています。

こちらはより広視野の画像です。中央に輝くトリトンが見え、その下に海王星が映っています。周囲を見ると、遠方の銀河が多く映り込んでいるのが分かります。左下に映っている棒渦巻銀河は約12億光年の距離にあります。

Image Credit: NASA, ESA, CSA, and STScI

(参照)ESA/WebbWebb Space Telescope