望遠鏡の頭上、ぼんやりと赤く輝く夜空に大小のマゼラン銀河が映っています。画像は南米チリ、ESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台で撮影されたもので、地上にはVLT(超大型望遠鏡)の補助望遠鏡(AT)が2台見えています。
右下に見える大マゼラン銀河は直径1万4000光年、一方の画像上に見える小マゼラン銀河は直径7000光年です。地球からの距離は大マゼラン銀河が約16万光年、小マゼラン銀河が約20万光年で、どちらも天の川銀河の近くにある衛星銀河(伴銀河)です。夜空がぼんやりと赤く輝いているのは大気光で、酸素分子の発光によって赤く見えています。
ATの口径は1.8m。4台あるうちの2台が画像に映っています。ATは位置を移動することが可能で、口径8.2mの4台のユニット望遠鏡(UT)とともに超大型望遠鏡干渉計(VLTI:Very Large Telescope Interferometer)として機能します。
画像は、2022年4月18日にリリースされたESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」です。
Image Credit: ESO/ M. Zamani
(参照)ESO