今から25年前の7月、大きな話題となった出来事が木星で起きました。20個以上に分裂したシューメーカー・レビー第9彗星の核が、次々に木星へ衝突したのです。太陽系天体に他の天体が衝突するのを目撃するのは史上はじめてであり、当時、天文学者のみならず、一般の人々の間でも大きな話題となりました。
シューメーカー・レビー第9彗星は、1993年3月18日に核が分裂した状態で発見されました。その後の観測によって、1994年7月にはそれらの核が木星に衝突することが判明しました。また、木星の重力にとらえられて木星を周回していた彗星の核が1992年7月に木星に接近した際に、木星の強い潮汐力によってバラバラに分裂したことも分かりました。
分裂したシューメーカー・レビー第9彗星の核は、1994年7月16日から22日にかけて衝突しました。衝突現場は地球から見てわずかに裏側だったため、衝突の瞬間は観測できませんでした。しかし衝突によって生じたキノコ雲や衝突痕が観測されました。
上の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたD核とG核の衝突痕です。G核が衝突した1時間45分後に撮影されました。同心円状の大きな衝突痕がG核、その左の小さな衝突痕がD核によるものです。
G核が衝突したのは7月18日のことでした。G核の衝突痕は、中央に直径2500kmほどの暗い点があり、その周りを直径7500kmほどの暗いリングが取り囲んでいます。さらに外側に三日月状の暗い部分がありますが、その内側の輪郭部分は直径1万2000kmほど(地球とほぼ同じ大きさ)あります。
Image Credit: H. Hammel, MIT and NASA
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