この画像に映っているのは、火星の北半球にある直径約82kmのコロリョフ・クレーター。ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の火星探査機マーズ・エクスプレスがとらえたものです。北極冠を取り囲む砂丘のすぐ南に位置してます。
クレーター内に白くみえているのは、雪ではなく氷です。クレーターの中心部では、年間を通じて厚さ約1.8kmの氷が存在しています。厚い氷の上にある大気は冷やされて下降し、氷のすぐ上に冷えた空気の層を作ります。この冷えた空気の層が、氷が温められるのを防ぐ役割をします。そのためコロリョフ・クレーターの氷は融けずに残っているのです。
こちらは2020年6月30日に公開された、コロリョフ・クレーター上空を飛行しているかのような映像です。コロリョフ・クレーターが火星のどこにあるのかも、映像を見るとよく分かります。Credit: ESA/DLR/FU Berlin, CC BY-SA 3.0 IGO
https://www.esa.int/spaceinimages/Images/2018/12/Perspective_view_of_Korolev_crater
http://www.esa.int/ESA_Multimedia/Videos/2020/06/Flight_over_Korolev_Crater_on_Mars