この画像に映っているのは、金星にあるバック・クレーターです。NASA(アメリカ航空宇宙局)の金星探査機マゼランが、1990年9月26日〜27日にかけて、レーダー観測で取得した画像です。
直径21.8kmのバック・クレーターは金星のナブカ地域にあり、南緯5.7度、東経349.6度に位置しています。隕石衝突時の噴出物が、周囲に広く堆積しているのが映っています。またクレーターの周囲が暗くなっていますが、マゼラン探査機は同じ特徴を持つクレーターを数多く観測しました。
金星は全体が雲に覆われているため、可視光では表面を観測することができません。1989年に打ち上げられたマゼラン探査機は、雲を透過するレーダーを使って金星表面を詳しく観測しました。
なおクレーター名の「バック」とは、アメリカの作家パール・S・バック(1892〜1973)にちなんで名付けられた名称です。
Image Credit: NASA/JPL