ベピコロンボの地球フライバイ時の“音”を聞いてみよう!

日欧共同の水星探査機ベピコロンボ(BepiColombo)は、2020年4月10日に地球でフライバイを行いました。その際に得られたデータをもとにした“音”が作られました。同じくフライバイの際に撮影された画像を元に作成した動画に、その音を入れた映像集がESA(ヨーロッパ宇宙機関)から公開されました。映像と音はリンクしており、同じ時間帯に得られたものです。

ベピコロンボは、日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)の水星磁気圏探査機「みお」(MMO:Mercury Magnetospheric Orbiter)と、ESAの水星表面探査機(MPO:Mercury Planetary Orbiter)という2機のオービターで水星の観測を行うミッションです。

冒頭の映像に入れられた音は、MPOに搭載された加速度計(ISA: Italian Spring Accelerometer)が記録したデータを音声化したものです。ベピコロンボが地球から25万6393km〜12万9488kmの距離にいる間に得られたデータで、8時間の測定データが1分間に圧縮されています。

ISAチームの1人、Carmelo Magnafico氏によれば、この音はレールに耳を当てて列車が来ているかどうかを聞くのと同じ原理だとのことです。「この音はベピコロンボの音で、外部要因と内部要因で生じた振動がISAに伝わったものです」

ISAは、太陽光の光子が探査機に衝突した際に生じる太陽輻射圧という非常に小さな力を検出できるほど感度が非常に高いそうです。

この動画の音も上と同じく、MPOのISAのデータを元にしたものです。ベピコロンボが地球から2万7844km〜1万3107kmの距離にいる間に得られたデータを元に音声化したものです。1時間が1分に圧縮されています。なおベピコロンボの地球最接近時の距離は、地球表面から1万2689kmでした。

この動画の音も、MPOのISAのデータを元にしたもので、ベピコロンボが最接近後に地球の影の中を飛行したときのものです。音は1万3460kmの距離から始まります。その後1万6496kmで地球の影に入り、2万4861kmで影から出ました。3万1785kmの距離で音は終了します。

ベピコロンボが地球の影に入っている間、音の感じが少し変わっているのが分かるかと思います。これは太陽電池パネルに太陽光の光圧がかからなくなったからとのことです。

打ち上げられてから今まで、ベピコロンボはずっと太陽光にさらされてきたので、ISAが太陽光の力の変化を測定できているのかどうかをチェックできませんでした。Carmelo Magnafico氏によれば、今回、地球の影を通過した時のデータから、装置がよく調整されていることが分かったとのことです。

水星に到着後、ISAチームは水星の重力場と太陽潮汐による変動を研究します。局所的な重力異常をマッピングすることで、水星の内部構造について調べます。

ESAのウェブページでは、上で紹介したものの他に、MPOに搭載された磁力計(MPO-MAG: Magnetic Field Investigation)によって得られたデータを音にしたものも掲載されています。

Credit: ESA/BepiColombo/ISA/ASI-INAF

http://www.esa.int/Science_Exploration/Space_Science/BepiColombo/Listen_to_the_sounds_of_BepiColombo_s_Earth_flyby

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