木星表面に落ちた衛星イオの影 | アストロピクス

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木星表面に落ちた衛星イオの影

木星の衛星の中でもとりわけ大きな四つの衛星は「ガリレオ衛星」と呼ばれます。この画像には、そのうちの一つ衛星イオが木星表面に落とした影が映っています。NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーによって撮影されました。衛星イオは、木星から見て太陽の前を通過するたびに、木星表面に影を落とします。画像はその機会をとらえたものです。

ジュノー探査機は、53日間で木星を1周する軌道をまわっています。木星に最も近づくときは雲頂から5000kmほど、遠ざかるときは800万kmほどになります。上の画像は、ジュノーが22回目の最接近を行なった2019年9月12日に得られたものです。

ジュノー探査機は木星に最接近するたびに、搭載しているジュノーカムというカメラで木星表面を撮影しています。そのデータは一般に公開され、誰でも処理することが可能です。

この画像は“市民科学者”のTanya Oleksuik氏がジュノーカムのデータをもとに作成したものです。元の画像が撮影されたとき、ジュノー探査機は木星の雲頂から1万3600kmの距離のところに位置していました。

なおイオは衛星の中では大きいとはいえ、木星と比べると非常に小さな天体です。画像はジュノー探査機が木星にかなり接近したときに、木星の一部を撮影したものです。そのため影が非常に大きく映っています。

Image Credit:
Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS
Image processing by Tanya Oleksuik, © CC BY

(参照)Planetary Photojournal