アタカマ砂漠上空の天の川と「NGTS(次世代トランジットサーベイ)」 | アストロピクス

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アタカマ砂漠上空の天の川と「NGTS(次世代トランジットサーベイ)」

この画像はESO(ヨーロッパ南天天文台)が2022年8月8日に「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースしたもので、ESOパラナル天文台があるアタカマ砂漠の空に広がる天の川が映し出されています。手前に見えているのは、トランジット法で太陽系外惑星を探索するための「NGTS(次世代トランジットサーベイ)」です。

恒星の手前を惑星が通ると、恒星がわずかに暗くなります。そのような星の明るさの変化により系外惑星を探す方法がトランジット法です。

NGTSは12台の口径20cm望遠鏡で構成され、継続的に南天の星々を観測して星の明るさの変化を探索します。NGTSは、地球より大きく海王星のような巨大氷惑星よりも小さな「スーパーアース」を探すことに特化した観測装置です。

NGTSはイギリス、スイス、ドイツの大学・機関の協力によって建設されたもので、ESOは運用に直接関わってはいません。2015年にファーストライト、2016年1月からフル稼働しています。

奥には左にVLT(超大型望遠鏡)、右にVISTAが見えています。VLTの補償光学用のレーザー光が照射されているのも映っています。

EXIFデータによれば、画像が撮影されたのは2019年7月5日です。画像中央下、天の川の下側に明るく輝いているのは木星で、天の川の対岸には土星も映っています。また画像右上には、わし座のアルタイル、画面左にはケンタウルス座α星、β星が見えています。

Image Credit: ESO/M. Zamani

(参照)ESO