三重連星系で太陽系外惑星KOI-5Abを発見!

恒星の前を横切る系外惑星KOI-5Ab。右側に別の星も二つ描かれています。Credits: Caltech/R. Hurt (Infrared Processing and Analysis Center, or IPAC)
恒星の前を横切る系外惑星KOI-5Abの想像図。右側に別の星も二つ描かれています。Credits: Caltech/R. Hurt (Infrared Processing and Analysis Center, or IPAC)

はくちょう座の方向、1800光年の距離にある「KOI-5」という三重連星系の主星のまわりを公転する太陽系外惑星が、NExScI(NASA Exoplanet Science Institute、NASA太陽系外惑星科学研究所)のDavid Ciardi氏らによって、発見されました。

KOI-5星系はA、B、Cの三つの星で構成されています。KOI-5Abは、A星のまわりを公転しています。Credits: Caltech/R. Hurt (Infrared Processing and Analysis Center, or IPAC)
KOI-5星系はA、B、Cの三つの星で構成されています。KOI-5Abは、A星のまわりを公転しています。Credits: Caltech/R. Hurt (Infrared Processing and Analysis Center, or IPAC)

KOI-5はKOI-5A、B、Cという三つの星からなります。A星とB星は互いのまわりを30年で公転し、C星は400年かけてA星とB星のまわりを公転しています。そのうちのA星を公転する系外惑星「KOI-5Ab」が見つかったのです。KOI-5Abの質量は土星のおよそ半分で、約5日間で主星のまわりを公転しています。

KOI-5Abの軌道面は、KOI-5Bの軌道面とは一致していないことも明らかになりました。このズレの原因ははっきりとは分かっていませんが、KOI-5Bの重力による影響ではないかと見られています。

KOI-5Abは2009年に打ち上げられたNASA(アメリカ航空宇宙局)の系外惑星探索衛星ケプラー望遠鏡が運用されてから間もない時期に、惑星候補として発見されていました。しかしケプラーが数多くの系外惑星を発見する中で忘れられた状態になっていました。Ciardi氏らは、2018年に打ち上げられたNASAの系外惑星探索衛星TESSや地上望遠鏡による観測などから、KOI-5Abの存在を証明したとのことです。

(参照)NASA