ソーラー・オービター、史上最も近い距離から太陽を撮影!

この画像は、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の太陽探査機ソーラー・オービターが、2020年5月30日にとらえた太陽の全球画像です。7月16日に公開されました。極端紫外線撮像装置(EUI)で撮影されたもので、太陽の上層大気であるコロナが映っています。

2020年2月10日に打ち上げられたソーラー・オービターは、5月30日には太陽から約7700万km、地球と太陽のほぼ中間の距離に位置していました。その距離まで近づいて太陽を撮影したのはソーラー・オービターが初めてです。そのとき撮影された画像の中から、ここでは17ナノメートルの波長の極端紫外線で撮影された画像を紹介しています。

ソーラー・オービターは全球画像に加え、クローズアップ画像も撮影しています。

太陽表面で発生する「フレア」と呼ばれる爆発現象は、地球からでも観測されます。今回ソーラー・オービターが撮影した画像には、「キャンプファイヤー」という愛称が付けられた小さなフレアが映っていました。キャンプファイヤーが、地球から見るようなフレアの規模の小さなものなのか、異なるメカニズムで発生しているのかはまだ分かりません。

太陽コロナの温度は100万℃以上あり、太陽表面の温度5500℃と比べて桁違いに高温です。コロナがそれほど高温に加熱されるメカニズムは完全には理解されていません。「キャンプファイヤーは1つ1つはとるに足りないものですが、太陽全体での影響を総合すると太陽コロナの加熱に大きく貢献しているかもしれません」とEUIの共同研究代表者であるFrédéric Auchère氏は述べています。

ソーラー・オービターは今後さらに太陽に近づき、今回以上に高い解像度の画像を撮影することになっています。

なお、このページで紹介した画像は解像度を落としてあります。高解像度画像はESAのページをご覧ください。

Image Credit: Solar Orbiter/EUI Team (ESA & NASA); CSL, IAS, MPS, PMOD/WRC, ROB, UCL/MSSL

https://www.esa.int/Science_Exploration/Space_Science/Solar_Orbiter/Solar_Orbiter_s_first_images_reveal_campfires_on_the_Sun