DART衝突後、小惑星から1万kmにわたり伸びる噴出物を地上望遠鏡でとらえた | アストロピクス

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DART衝突後、小惑星から1万kmにわたり伸びる噴出物を地上望遠鏡でとらえた

2022年9月26日(日本時間27日)、NASA(アメリカ航空宇宙局)のDART(Double Asteroid Redirection Test、二重小惑星方向転換試験機)が小惑星に衝突しました。衝突したのは、小惑星ディディモスの「月」であるディモルフォスです。DARTの目的は、探査機を衝突させて小惑星の軌道変える技術の実証実験を行うことです。

画像は衝突の2日後に、南米チリにあるセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)の口径4.1mのSOAR望遠鏡で撮影されました。衝突によって生じた噴出物(塵や破片)が、画像中央から右へ向かって1万km以上にわたって伸びているのが映っています。彗星の尾のように、噴出物が太陽の放射圧に押し流されて長く伸びたものです。

SOAR望遠鏡も含め、地上望遠鏡による噴出物の観測は今後も行われる予定です。その観測によって、ディモルフォスの表面の性質や、衝突によって放出された物質の量、放出速度などに関する情報を得ることができます。また、衝突によって大きな破片が放出されたのか、あるいはほとんどが細かい塵なのかといったような、粒径分布についての情報も得られます。

Credit: CTIO/NOIRLab/SOAR/NSF/AURA/T. Kareta (Lowell Observatory), M. Knight (US Naval Academy)、Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)

(参照)NOIRLab