小型月着陸実証機SLIMが撮影した、現地での日没直前の画像が公開されました。画像は、SLIMの航法カメラで撮影した日没直前の画像と着陸直後の画像を比較したものです。着陸直後に比べ、月面で太陽光が当たらない領域が広がっているのがわかります。
SLIMは1月20日に月面着陸に成功しましたが、想定とは異なる姿勢で着地したため太陽電池による電力が得られず、いったん電源が切られていました。その後、日が射す方向が変わったことで太陽電池から電力が得られるようになり、1月29日にSLIMとの通信が復活し運用を再開していました。
(参考記事)「探査機SLIM、ピンポイント着陸に成功! 月面での撮影画像も公開」「【速報】月探査機SLIMが復活!」
SLIMは休眠状態へ。再復活があるとすれば2月下旬
月の自転周期は約27.32日で、昼と夜が約14日ずつ続きます。着陸時は太陽光が東から当たっていましたが、SLIMの太陽電池パネルは西を向いていたために電力が得られなかったとみられています。日が西に傾いたことで太陽電池パネルに太陽光が当たるようになり、電力が復活したのです。
SLIMの着陸場所では1月31日に日没を迎えました。日没後は太陽電池による電力が得られなくなるため、SLIMは休眠状態に入りました。
月面では夜の間は温度がマイナス170℃まで下がり、それが14日間続くことになります。SLIMは月面の夜の極寒に耐えるように設計されていないため、このまま復活しない可能性が高いとみられます。2月半ばには着陸地点に再び日が射しはじめます。もしSLIMが復活するとすれば、おそらく前回SLIMが復活した1月29日から約28日後の2月26日ごろ。可能性は低いものの、再びの復活があるのか、期待しつつ待つことにしましょう。
(参考記事)「探査機SLIMの着陸地点をNASAの月探査機が撮影!」
Image Credit: JAXA
(参照)JAXA宇宙科学研究所