シェフィールド大学などの研究チームは、位置天文衛星ガイアのデータから、太陽のおよそ8倍以下の質量の星の晩年の姿である「AGB星(漸近巨星分枝星)」が、約2500光年離れた若い星形成領域NGC 2264を通り過ぎていることを発見しました。
これまでの研究から、AGB星は放射性同位体である「アルミニウム26(26Al)」や「鉄60(60Fe)」を大量に生成することがわかっています。26Alと60Feは、形成初期の地球の内部を加熱するのに重要な役割を果たしていたと考えられています。
それらの放射性同位体は、近隣の大質量星から供給されると考えられています。しかし大質量星からの放射は非常に激しく、惑星形成をさまたげる可能性があります。今回の研究は、AGB星が若い惑星系に接近する可能性があり、26Alや60Feの供給源が大質量星の星風や超新星爆発以外にもあり得ることを示したものです。【1分で読む宇宙ニュース】