宇宙誕生時の急激な加速膨張「インフレーション」の検証につながる重力波による新手法を発見 | アストロピクス

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宇宙誕生時の急激な加速膨張「インフレーション」の検証につながる重力波による新手法を発見

今回の研究は、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)のKaloian D. Lozanov氏、Kavli IPMU客員准科学研究員を兼ねるVolodymyr Takhistov氏(高エネルギー加速器研究機構 [KEK])の研究チームによるものです。画像は、インフラトン場がオシロンへと分裂していき、重力波が生じている様子の模式図(Kavli IPMUのウェブページより)。重力波は、計画中の重力波望遠鏡である「Einstein Telescope」「Cosmic Explorer」「DECIGO」などで観測可能とのことです。
今回の研究は、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)のKaloian D. Lozanov氏、Kavli IPMU客員准科学研究員を兼ねるVolodymyr Takhistov氏(高エネルギー加速器研究機構 [KEK])の研究チームによるものです。画像は、インフラトン場がオシロンへと分裂していき、重力波が生じている様子の模式図(Kavli IPMUのウェブページより)。重力波は、計画中の重力波望遠鏡である「Einstein Telescope」「Cosmic Explorer」「DECIGO」などで観測可能とのことです。

宇宙の誕生時、ビッグバンの前に「インフレーション」と呼ばれる急激な加速膨張があったと考えられています。多くのインフレーション理論では「オシロン(Oscillon)」という孤立した巨視的構造の一種の存在が指摘されています。

Kavli IPMUなどの研究チームは、インフレーションを引き起こすエネルギー源となったとされるインフラトン場の進化をシミュレーションを用いて研究し、実際にオシロンが形成されることを明らかにしました。さらに、オシロンが崩壊する過程で発生する重力波は、計画中の重力波望遠鏡で観測可能であることも明らかにしたとのことです。

オシロンの崩壊過程での重力波をとらえることができれば、インフレーション理論を検証する従来の研究とは独立した形でインフレーションモデルを検証できると期待でき、インフレーションがどのように引き起こされたかという宇宙初期の謎に貢献できるとしています。【1分で読む宇宙ニュース】

(参照)Kavli IPMU