この画像には、「RCW 7」と呼ばれる輝線星雲のごく一部が映し出されています。ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された画像です。
RCW 7は、とも座の方向、地球から約5300光年の距離にあります。若い大質量星からの紫外線によって水素ガスが電離して輝いています。このような領域は「HII領域」とも呼ばれます。なお、電離していない中性水素の領域は「HI領域」と呼ばれます。
RCW 7のようなHII領域を可視光で見るとピンク色に見えます。ハッブル宇宙望遠鏡がWFC3(広視野カメラ3)でとらえたこの画像は、赤外線で撮影した画像をもとに作成された擬似カラー画像で、青く見えるガスを背景に赤みがかった塵が見えています。
画像下部の塵の雲が暗く見える一方で、上部の塵は明るく見えています。明るく見える塵の雲の中には、「IRAS 07299-1651」と呼ばれる巨大な原始星連星が存在しています。その連星を研究するために、この画像がハッブル宇宙望遠鏡によって撮影されました。
画像はハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として、2024年6月17日に公開されました。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Tan (Chalmers University & University of Virginia), R. Fedriani (Institute for Astrophysics of Andalusia)
(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧
(参照)ESA/Hubble