ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したオメガ星雲(M17、白鳥星雲)の一部の領域のクローズアップ。水素ガスのほか、少量の酸素や硫黄などからなるガスが、泡立つ海のような景色を作り出しています。オメガ星雲は、いて座の方向、約5500光年の距離にある星形成領域です。
画像に映る領域は、左上方向、画像の枠外にある若い大質量星からの紫外線にさらされています。その紫外線によってガス雲が削られ、またガス雲の表面が明るく輝いています。紫外線によって加熱されたガスは、この画像ではオレンジ色や赤色で光っています。強烈な熱と圧力のため、ガス雲の表面から物質が流れ出して緑色のガスが生み出され、背景の構造を隠しています。
ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ30周年(2020年4月24日)に向けて、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「30 Years, 30 Images」と題して、これまでハッブルが撮影してきた画像から各年1枚ずつ選んで公開しています。
冒頭の画像はその13枚目のもので、打ち上げ13周年を記念して2003年4月にリリースされた画像です。
Image Credit: NASA, ESA and J. Hester (ASU)
https://www.flickr.com/photos/nasahubble/49576591521/in/album-72157713228021437/
https://hubblesite.org/contents/media/images/2003/13/1331-Image.html